しゆうのブログ

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【100円のコーラを1000円で売る方法】を大学生が読んだ感想【書評】

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大学4年生が、「100円のコーラを1000円で売る方法」を読んだ感想を書く。

 

どうも、大学4年生の「しゆう」です。
今回は、「100円のコーラを1000円で売る方法」についてレビューしていきます。 

こちらの書籍は、マーケティングについて物語調で書かれている本です。
本書はタイトルからもわかる通り、「100円のコーラを1,000円で本当に売れるのか?」というインパクトに応えてくれる、期待以上の作品でした。 

僕は現在大学4年生でマーケティングも学んでおり、マーケティングをこれから学びたい大学生や、新社会人の方にお勧めできる作品です。

 

 

100円のコーラを1000円で売る方法

 

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本書のあらすじ

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会計ソフトウェア専門の会社で10年間セールスをしていた「宮前久美」が、商品企画部に転属されるところから始まる。
そこで、マーケティングに長けている「与田誠」から数々の批判を受けながら、マーケティングについて少しずつ学んでいく。という内容です。

 

顧客満足の式

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当書の中で、主人公が提案した会計ソフトが採用されず、その理由を聞きに行く場面があった。
その時の不採用となった理由を述べた文章が、

 「よくこの式を見てください。顧客の事前期待値が100だとします。そして、その事前期待値を100%満足させる100の価値を提供したとしますよね。顧客満足は”顧客が感じた価値”から”事前期待”を引き算したものだから100引く100.つまり0点です。厳しい言い方かもしれませんが、私たちの要望に応えるだけだった駒沢商会さんは、実は0点なんですよ」

引用:64p

 顧客がやってほしいと思っていることに応えているだけでは、0点のものしか作れません。その先の+αが提供する側に求められているということです。
相手(顧客)に使ってもらうためには、望んでいる要望をかなえること以上に、その相手が気付いていない改善点を提案することが重要です。

 サプライズは受ける側が、予想もしていない出来事であるほど、感動が大きいですよね。顧客満足も同じで、顧客の予想を良い意味で上回ることが大事です。

 

大学のサークル活動でも、社会人の企画提案でも、言われたことだけをする日本人的な考えでは、良い物は作れないという点で共通していますね。

 

製品志向と市場志向

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歯医者の例を用いて、「製品志向の考え方=虫歯治療」と「市場志向の考え方=健康な歯を維持する」と示していました。
そこで、

虫歯になる人は日本人全体の1割にしかすぎません。ところが、虫歯になる前の9割の人も顧客に取り込んだことで、潜在顧客規模を日本人全体に広げたということです

引用:112p

「予防歯科」からわかる通り、今では虫歯でない人も歯医者に通うことが多くなりました。それは、歯医者にとって新しい価値を生み出したためです。本来歯医者は、虫歯を治してその対価を受け取るわけですが、全く逆の発想です。

 

既にあるありふれたサービスや製品の質を上げることではなく、新しい価値を提供することで、1つのビジネスモデルとして成り立ちます。
僕のブログでも先日格安SIMについて書きましたが、キャリアで安く携帯を持つのではなく、新しい携帯のあり方を示したことで、普及しています。

 

Win-Winの関係

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キシリトールガムを日本で最初に販売しようにも、菓子メーカーは難色を示した。そこで、

 菓子メーカーではなく、影響力の大きい流通業者に話を持って行ったところ、興味を示したという。流通業者から菓子メーカーに「キシリトール入りガムをつくってほしい」と言ってもらい、話が進むようになったのだ。

引用:144p

 適材適所という言葉があるように、自分にしかできないことをやって、出来ない部分を補うことが重要です。

 

企業間での例ですが、対人間でも同じことが言えます。
同じ大学、同じ会社でもそれぞれ能力が違う人間に仕事を割り振ることによって、効率的・効果的に話を進めることが出来ます。

 

100円のコーラを1000円で売る

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当書のタイトルにもなっていることですね。
タイトルにはなっていますが、コーラを1000円で売る方法が本書で伝えたかったことではありません。

僕が思ったのは、エベレストで売れば1000円で売れるだろうと最初に考え付きました。
本書で書いてあることと照らし合わせても、おおよそ間違いではありません。(1000円でコーラを売る方法は、本書をお読みください。)

 

普通のコーラとエベレストで買うコーラのいったい何が違うのか。それは「付加価値」です。エベレストの上でコーラが飲めるという価値を売っているのです。

1000円で売れるようなコーラをつくる為には、それ相応の原材料が必要になってきます。しかし、付加価値であれば、発想次第で色々なサービスを付けられるのです。

 

普段何気なく大学生が受けている教授の講義は、外部で話すのとは違う価値を持っています。製品(コーラの中身・教授の話)は同じでも、色を付けるのは無限ということです。

 

筆者の伝えたいこと

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当書では、顧客の要望に応えるではなく、顧客の課題に独自の価値を提供するをテーマに書かれています。
日本の企業のあり方が、顧客に新しい価値を提供すれば、競争力は高まりより良い商品が登場します。 

この考え方はどんな組織にもあてはまり、新しい価値を生み出せない組織は衰退していきます。

 

100円のコーラを1000円で売る方法の感想

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第一に感じることは、読みやすいということ。
多くのマーケティング論が紹介されているが、事前のマーケティング知識がなくてもスラスラと読み進めることができてしまいます。 

大学生活や社会と関連付けてレビューを書きましたが、それほどマーケティングは実生活と結びつくものであり、マーケティングを学ぶ上でも本書は十分すぎると思います。

 

大学1年生から大学4年生、また若手社会人にもお勧めしたい本です。

 

まとめ

まだ1部目を読んだ段階なので、これから2・3部目を読んでいきたいと思います。
多くのレビューにも見受けられましたが、なにより物語調という点で初学者にもとっつきやすい内容になっているのではないでしょうか。

小説感覚で読めるのが良いですね。

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